ほしいものリスト

amazonのほしいものリストはご存知だろうか?アマゾンで買い物したことのある人でなくでも、ネットショッピングを一度は経験したことある人ならば、ご存知だろう。すぐには、買わない、買えないけど、いつかの買う日のために一時的に保留しておく場所。

基本的には、ぼくは物欲がある方ではないけれど、気になる書籍やCD(←いまや死語)があると、いつでも思い出した時に買えるように、アマゾンで調べて欲しいものリストに入れておくという変な習慣がある。

ただ、そんな習慣が始まって早10年経ち (先日久しぶりにamazonと同時期に始めたFacebookを開いたら、おめでとうございます。登録されてから10年経ちました。思い出を振り返りましょう!というアナウンスが表示されました。)

その数は1000点を超える。

単純に一つ1000円だとしても全てを買うと100万円を超えてしまう。

いつか、宝くじに当たったら全てを注文してしまうのが、密かな願望。

ただ、恋愛も買い物も基本的には同じような欲求のプロセスだと思うので、手に入れてしまうと次を探してしまうのが人の世なのだろう。このままの状態をキープしている方が幸せなのかもれない。ラブソングも片想いだから成立するのであって、両思いの成就した歌詞など誰も聞きたくはない。

 

前置きはこの辺りにして、今回はそんな中でもネットでは買えない、売ってないものぼくのほしいものリストの中からいくつか紹介したいと思います。どれも自分で直に手にとってお店の人や作り手と話したものなので、個人的にはどうしてもほしいものリストに分類されるものです。

きっと、住宅のリノベーションや、店舗の改修工事などで空間を一新される方であれば、他とは違う何か、雑誌で取り上げられた流行っているもの、ではないものを求めている方も多いかと思うので、そういった方々の参考にしていただければ、幸いです。

ceramic skull

もう5年以上前だろうか、当時、恵比寿にあった友人のお店に遊びに行った時に陶芸家の作品を取り扱い始めていて、ちょうど興味を持ち始めた頃だったので話が弾んで教えてもらったのが陶芸家 濱中史朗さん。

 

その後、いろんな縁が重なり、ぼくはひとり、手土産の日本酒を持って山口県萩市のアトリエまで旅立ちました。

当然、飛行機で直接行けるような余裕もなかったので、広島あたりから高速バスを乗り継いで、険しい中国山脈を抜けてローカル列車に乗り換えて行った記憶があります。

そして、萩駅で真っ黒な高級外車でご本人に出迎えて頂けたのは、すごく良い思い出。途中、地元の軽トラのおじいちゃんに道を譲りながら、道中、お話した記憶が蘇ります。

今振り返れば、どこの馬の骨ともわからない人間が、突然メールを出してよく会ってくれたなぁ~と感慨深いです。

 

さて、ほしいものというのはズバリ骸骨の置物。おそらく女性の方には、理解に苦しむかと思いますが、男は何歳になってもスカル・軍モノには弱いのです。

このスカルにはいくつか種類があって、ぼくがほしいのはこのオレンジ色の骸骨なんです。バイクで使われる塗料で仕上げられているストリート感とこの無骨でありリアリティーある頭蓋骨の重厚感のミックスにとても惹かれます。

頭蓋骨自体も大学の解剖学研究室にアポを取り、標本を借りてきて作られたそうです。

また、美容師の方ならご存知かもしれませんが、日本人をはじめ、東アジア系の頭蓋骨は後頭部が絶壁というか、まっすぐ垂直になっているのがほとんどなので、西洋人の綺麗な起伏の後頭部の標本も参考にしたオリジナルな形になっています。

こういったオーナメントが部屋の片隅にあったらどんなにいいかと夢想してもう何年も経ちますが、未だに手が出ないです。

価格はその当時でアップルのマッキントッシュ1台くらいだったのでそんなに高くはなかったけれど、今はわかりません。

その後、東京での個展に呼んでいただいたりしましたが、ぼく自身がいろんな所に旅行に行ってしまいご無沙汰したままです。気になる方は、山口県萩市の大屋窯に足を運んでみてはいかがでしょうか。

wooden fruits

次にご紹介したいのは(←深夜の通販番組風…)木製のエアフレッシュナーです。

リキッド(液体芳香剤)を数滴垂らしてお部屋に良い香りを拡げる代物。

このフレッシュナーのすごいところは、やはり一本の木から削り出し、磨き出しをかけた日本の職人の技術と魂を感じるところ。磨きをかけたのは、ご存知の方も多いかもしれませんが、新潟の燕三条の町工場の職人さんたちです。

あのNASAからスペースシャトルで使われる部品の磨きを指名されたり、初期のapple社製iPodの裏側の鏡面磨きを受注したりと国際的に磨きといえば・・・みたいな新潟燕三条。

 

ちなみに写真にある洋梨は楓(かえで)の木、林檎は欅(けやき)の木になります。希少性でいえば、洋梨なのかもしれませんが、個人的には林檎なのです。やはり木目の流れがわかりやすいので、見ていても癒される感じがします。

もちろん洋梨も素晴らしいのですが、あまりにリアリティーがありすぎてどこかの産地にこういうナシゴレンがあるのではないかと思ってしまいます。それくらいに手にとってみても、よくできているので通な人向けかもしれません。

玄関やトイレに置いてもいいかもしれませんが、ダイニングに実際の果物の近くに置いてあっても面白いかもしれません。

詳しくは、目黒区五本木にある森羅万象にて、実際のものを手にとってみてください。

きっと、店主の工藤くんがもっと詳しい内容を説明してくれると思います。

woodblock printing

最後は、ほしいものというよりまたほしいものです。

それは、川瀬巴水の「雪庭のサンタクロース」です。

元々は、額装して部屋に飾ろうと持っていたのですが、先日、アメリカ人の友人の結婚祝いにプレゼントしてしまいました。

時間が経つにつれて、沸々と気持ちが再燃してきまして嗚呼、またほしいなぁ~と思う今日この頃。

 

もちろん、本物は博物館級なので、手も足も出ませんが、これは原版を現代の職人さんが刷り直したものにあるのでオリジナルにとても近いものです。

川瀬巴水の説明は、wikipediaに譲るとして、その版権は銀座のあるお店が現在、独占的にライセンスを持っています。

そこはオリジナルも持っているというので脱帽。

年に一度、上野の松坂屋で展示販売会が行われていて、そこに伺った時に店主の方からお話を伺ったことがあります。なんでも鑑定団の浮世絵の審査員している方で、この雪庭の場所は不明になっていますが、東京江東区の清澄庭園ではないかと。

海外では近年、オリジナル作品が高値で売買されていて、松坂屋の人も毎年、展示販売会では開店と同時に中国人やオーストラリア人がエスカレータを我先に猛ダッシュで駆け上がってきて片っ端から購入していくようです。

その多くは、投機目的だと思いますが、一番のコレクターはあのスティーブ・ジョブズだというのだから、そういうバックストーリーが作品に意図せずしてお墨付きを与えてしまい、庶民では手足の出ない状態になるのでしょう。

 

ここで勘のいい人は、前出のエアフレッシュナーとアップル繋がりになっていることに気がついたかもしれません。ブログを書き出すときに構成を考えたときに少し意識しました、すいません、クドイですね。

価格も基本的には、エアフレッシュナーと同じくらいです。

この作品のすごいところは、日本家屋でもミニマルな空間でも、どちらにも対応できるというマルチなところにあるのかもしれません。また、僕のように外国人への日本のお土産にも使えるという汎用性の高さはピカイチです。

大きさはA4サイズとA3サイズのちょうど中間くらいです。