素材サンプル

サンプルの役割

リノベーション工事の場合は素材サンプルを集めます。

床のフローリングはこれで、壁の塗装はこれで、キッチンの木材はこれで・・・

並べてみると、素材感や色の組合せなどがよりリアルに見えてきます。

工事業者としてみると非常に面倒な作業であるのは間違いありませんが、これをやらないことで後々イメージと違う・・なんてこともあるため必ず製作します。

サンプルとは

そもそもサンプルって何なのでしょうか。

リノベーションはモデルルームの様な完成品を見た上で購入するのではなく、完成品は完成するまで見ることはできません。

そのため、素材の確認などの為に断片を切り取り30センチ各などの素材サンプルを製作するのです。

壁紙や床材の様なメーカーがある場合は、現物サンプルをメーカーに請求し送ってもらいます。

しかし、造作家具などを木材を使い作る場合は木は当然同じものは2つとありませんから、今仕入れられる木はこんな感じですよと確認するということと、仕上げの塗装の風合いの確認のためにもサンプルは必須なのです。

 

各施工会社によってサンプルの作り方は色々とありますが、だいたい30センチ角くらいで製作する会社が多い様です。

弊社の場合も30センチ角で製作をしたりはしますが、何となく30センチだと大きいのです。

私たちの業界ではA3サイズの紙が当たり前ですが、通常はA4を使うことが多いと思います。

今までいろんな方を見てきましたが、設計者の方はA3サイズを入れることを前提にしたバッグや図面ケースなどを持っておりますが、施主の方はみなさんA4サイズを使っておりました。

そうすると30センチ角を持ち歩くことが不便そうだと感じ、弊社では20センチ角にすることが多くなっております。

突板サンプル

リノベーションの造作家具や建具などで最も多く使われる素材は弊社の場合は突板です。

必然的に突板サンプルの製作が増え、弊社事務所にはたくさんの突板ベニヤのサンプルが置いてあります。

 

そもそも突板とは何かというと、木を薄くスライスした物です。

それを合板の表面に貼り付け合板を製作し、それを使用して家具や建具などを製作します。

突板を使用することのメリットとしては、木目プリントなどとは違い本物の木の表情を得ることができ、それでいてそれなりに廉価でかつ反りや暴れなどが出にくいというところがあります。

 

キッチンやテーブル天板などを作る事ももちろん多くありますが、ところでそんな大きな木があるのかと言いますと実は無いのです。幅が80センチの板を作りたい場合は、樹種にもよりますが10〜20センチ程度の幅の突板を貼り合わせて80センチを作ります。

そこまでの状態で販売されている物もありますしが、そういったものはどうしても同じ様な木目が隣同士に連続してしまいちょっと気持悪いと言われる事もありました。

そのため、当然若干のコスト増ではありますが突板の貼り合わせをランダムにしたり、指定したり、また突板を合板に貼る際のノリの色を通常は白の物を黒やグレーにしたりなどのオーダーも可能なのです。

 

その辺のことの確認も必要なためサンプルが必要になるのです。

さらに塗装

そうやって製作した突板やもちろん無垢材、モルタル、塗装などにどんな塗装をするのかの確認も必要です。

ラッカーだったりウレタンだったり、水性だったり・・・

非常に多くの塗装の種類があるほかに、染色と言って木目を残したまま木の色を濃くしたりという事もよくやります。

 

壁の塗装などのサンプルの場合は、いくつかの色見本帳というのがあります。

日本塗料工業会やベンジャミンムーア、DIC、PANTONEなど他にもたくさんありますが、出せる色と出せない色もありますし壁に塗る際に使うローラーという道具で塗ると表面に梨地と呼ばれる少しの凹凸が出ます。

その表情によってイメージと変わってきたり、さらには上記の色見本帳に無い色(例えばコーポレートカラー)を塗りたい場合などはサンプルの製作は必須です。

 

お店で使うペーパーナプキンなどを渡されて、この色で壁を塗りたいと言われ調色して塗るといった事もしばしばあります。

まとめ

本当に大きなお金を掛けるリノベーション工事ですから、カタログの写真を見せられただけ・・・ではなく悔いのない様にサンプルの製作をちゃんと依頼してください。

サンプルの製作の仕方でその業者のレベルがわかります。

汚かったり、雑だった場合はちょっと危ないかもしれません。。

と、自分で自分の首を絞める様な事言ってみました。