BIMは、どこまで浸透してきたか?〜その2

BIMの導入コスト

池田くんのBIMは、どこまで浸透してきたか?ではBIMの浸透の気配を感じないということが書かれていましたが、私としてはやや違うと感じております。

確かに内装業界ではBIMを導入しているという話はほぼ聞きませんが、建築の世界ではすでに導入されてきていると認識しております。

ただ、導入には個人レベルでは支払えないほどのコストがかかるでしょうから、現時点ではゼネコンや組織事務所の一部といった程度なのではないかと想像します。

内装業界のIT化

以前リノベーションとITソリューションでも書きましたが、本当に内装業界はおそらくほとんどITの導入が行われていない業界であると感じています。

その理由にはいくつかあり、内装やインテリアというアカデミーが存在していないことで頭脳が集結しないということの他に、新築を扱う建築業界にはない「現状把握」というフェーズが行く手を阻んでいるのではないかと私は考えています。

 

1から全てを計画できる新築に対し、既存の建物にアジャストする必要がある内装業界でこそIT化が待ち望まれているように思います。

しかし、当然リノベーションや店舗の内装工事をしてる中で様々なエラーが起こってくる訳ですが、そのほとんどが現状把握のミスによるもので、設計図と現場のズレをアジャストするための時間が設定されていないことによるものがほとんどであると考えています。

工事着工までの流れ

本来なら住宅にしろ店舗にしろ既存の建物を解体し、スケルトンの状態にした後に現場調査をし現状把握をした後に設計図面を作成するということが最もエラーが起こりにくいのかもしれません。

しかし、住宅リノベーション工事の場合は施主は現状は賃貸住宅などに住んでおり、中古物件を購入してローンの支払いが発生してからでなくては解体ができないのです。そうすると賃貸の家賃とローンの二重払い期間が非常に長引いてしまい、資金計画が破綻してしまうため、一刻も早く引っ越しをしたいと考えるのです。

店舗の場合はより顕著で賃料発生とオープン日を可能な限り近づけようとするため、解体して現状把握して設計図面を書いて・・・ということが不可能なのです。

 

そんな流れが良くない!と言っているわけではありません。

普通に考えて当然のことですし、どうしようもない事だと思います。

そのエラーを少なくする可能性があるのはBIMのようなITの導入なのは間違いありません。

内装業界にBIM導入!(仮)

仮に内装業界のIT化が急速に進んだとして、上記で述べている通り工事着工までのスケジュールが詰まって行くことになるわけです。ビルを建てる様なビッグプロジェクトの場合は数年にわたる工期の中でエラーが少なくなることは非常に有用なことですが、内装の場合は1〜2ヶ月で完了することもしばしばですから、着工〜解体〜ITによるアジャスト〜の段階では既に竣工が迫っており池田くんのブログに書いてある通りFAXでのやりとりが常態化している現状では発注期間が取れないという・・・

(まぁこれがFAXではなくメールなどでも一緒ですが・・・)

 

というわけで、私としては内装業界にはBIMは適している様には現時点では思えません。

(と言いつつ私も使ったこともないため、想像です。。。)

現時点で内装業界として最も最適なソリューションは・・・今池田と色々と画策しておりますのでここでは言えません。

まとめ

なんにしても、ITが導入されてしまうと困る人達も多くいるとは思いますが、私たちの様な施工会社がいなくなるほどの大きな変革がおこり、Google RenovationやAmazon Constructionとかいうサービスが当たり前になる日は近いかもしれません。

ドキドキしますが、その方が良い様な気もします。