一軒のカバン

ある雑誌の連載で、建築家の住んでる家の記事があった。あ、面白いなと素直に想った。

それは、昔、イタリアンのシェフをしている友達から、昼飯もイタリアンなの?と聞いてみると、みんな和食だという。蓋を開ければみんなココロは日本人なのねと。

高校生の時にデートで訪れたディズニーランドでみた、ミニーちゃんのふくらはぎの肉付きがどうも雄♂であったときの腑に落ちる感じである。

 

さて、話を戻すとその時の建築家は五十嵐太郎だったように思う。正確にいうと建築史家なんだけど。

彼の返答は、一台のキャリーケースでした。おそらく出張ばかりのJETSETTERな彼にとって住まいなどは名ばかりでほとんどがホテル住まい。きっとレストランがダイニングで空港のトイレが洗面所なのだろう。完全にアウトソーシングてやつ。唯一、本棚や衣装ケースのあるキャリーケースが家の断片ということなのだろう。

NOMADなる言葉が出てきて久しいが、いつまでもマンションや戸建てを改修しているとも限らない。カバンのリノベーション工事があってもいい。だって、その人にとって"ソコ"は家なのだから。

イケダ