asatteの壁に掛かっているあの額

弊社で運営している定食屋のasatteに来たことがある方はご存知かもしれませんが、壁に3枚の額が飾ってあります。

これって何ですか?と聞かれることが多いため、ちょっと説明しておきます。

 

オープンして1ヶ月ほどは違うものをかけていましたが、場所柄多くの方に来ていただく中で家具屋さんやデザイナーやクリエイターの方、ファッション関係の方などそういったものに精通している方がたくさんいらっしゃって、飾っているものの出所がバレてしまうことが数度ありました。

何だか非常に恥ずかしい思いをしてしまい、もうこれは誰にもわからないものにするしかない!と思い作りました。

 

もともとは明治40年前後の猿楽町という表記があるので代官山辺りだろうと思いますが、このあたりに住んでいたおそらく20代から30代くらいの武士の家系の人の家に置いてあった来訪帳です。

カラオケなどに行くと置いてある落書き帳の様なものです。

 

明治40年くらいというと西暦1907年です。今から110年前。

今や歴史です。

そんな時代に同じ様な場所に住んでいた何となく同年代な人たちの、本当にどうでも良いことが書いてある落書きです。

長い年月の中で幾度も捨てられる危機に直面したであろうこの落書き帳は、なぜだか100年以上の時を経て額装され定食屋のご飯のお供になりました。

 

おそらくは知識階級であったであろう当時の所有者とそのお友達の紹介などもありますし、誰々が家に来て大きな屁をこいた・・・といった様なくだらない事も書いてあります。

そういう内容を見ると110年前とはいえすごく親近感が湧きます。

逆に外国人を見た、すごくノッポだった・・とか洋服を着ている人を見た・・といった歴史を感じる表記などもあり、すごく不思議な気持ちになる物です。

 

すごくリラックスして書いてある文章に関しては割と読めるのですが、ちょっと気合いを入れて書いている文章だったり、友人達で集まって短歌を詠んで遊ぶなどの場合は達筆すぎて読めないことが多いのが残念です。

 

asatteというお店はSNSなどにアップされる様な「達筆」な体験の裏側にある普段の「落書き」の様なお店でありたいと思っています。

この来訪帳に出てくる彼らが今の世に生きていたならば、きっと「asatteで飯食ってその後カラオケに行った・・」なんて書いているのでしょうか。

 

ところで、これ販売しています!!

欲しい方はお店のスタッフにお声がけください!

いくつか新しいネタはあるのですが、売れない事には作れないのです・・。

誰か買ってください。