工事業者の事情

リノベーション工事の工事時間

私たちがリノベーション工事をする上で常に悩まされる問題があります。

工事期間のことです。

マンションの場合は工事可能な時間は平日(土曜含む場合もある)の9:00〜18:00くらいがほとんどです。

日曜祝日と夜は工事できません。

突発的な問題が発生した場合には通常は残業したりしながら工程を調整し引渡し日が遅れないようにするのでが、残業ができないマンションのリノベーション工事の場合は、あらかじめ多めに工期をとっておかなければなりません。

工事の体制

一口に工事業者といっても実はいろんな体制の工事業者がいます。

弊社は自社の社員が現場監督として1人以上は必ず現場に常駐し各下職の職人たちに発注し工事を進めます。

このやり方が最も末端の小さな会社のやり方です。

別なやり方としては、仕事を請けた工事業者が我々のようなやり方をしている業者に一括で丸投げをするやり方があります。

別名ブローカーなどと言われますが、元請け業者として活動している会社は最もこのやり方が多いと思います。

そのほかには、自社の社員が現場監督として複数の現場を掛け持ちするやり方です。

不動産屋さんに紐づいた業者に多いやり方です。賃貸住宅の原状回復工事などをメインにやっている業者や、大手ディベロッパーのリノベーション工事を請け負っている業者に多いやり方です。

リノベーションの工期

リノベーションにかかる日数ですが、70平米程度のフルリノベーションを想定した場合弊社では実働で40日程度としております。日曜、祝日ができませんので実質2ヶ月です。

2ヶ月あればほとんどのリノベーション工事は可能です。

同じ工事業者で2ヶ月と聞いてすごく早いという人と、すごく遅いという人の2種類の人がいます。

すごく早いという人は、一括丸投げ業者の人に多いです。

すごく遅いという人は、複数の現場を掛け持ちしている業者の人に多いです。

工事業者の事情

私たちは自社の社員が1現場に1人常駐します。

そうしないとクオリティの担保ができないということと、急な変更や突発的なトラブル(近隣からの苦情なども含め)に対応ができなからです。

そのため必ず常駐するというスタイルをとっておりますが、これは設計、施主側の事情を汲んだもので、いわばポジティブな側面です。

逆にネガティブな側面としては1人の社員が1現場しか同時にはうごかせなくなり、経費がかさむということがあります。

そのため私たちは可能な限り工期を短縮しようとしますが、リノベーションの場合は2ヶ月が限界であると現時点では考えています。

 

一括丸投げ業者の人は私たちの様なスタイルの会社に下請けに出すため、自社の社員は週に1回程度しか現場には来ることはありません。関わる人が多いということは伝言ゲームの様にエラーが起こるリスクが高まるということですので、工期を長めに取るのです。経費がかさんで大変なのは下請け業者ですし、経費を上乗せして見積もりを出してきた業者は切り捨てれば良いのです。それをしても余りあるほどの営業力があり、そこに魅力を感じている小さな工事業者が多いということです。

設計施工をメインにしている業者に最も多いスタイルです。

 

複数の現場を掛け持ちしている業者はの場合は、現場監督がいなくても職人たちだけで工事が完了してしまう程度の難易度の工事をやっているのでそれが可能なのです。

先日こういった業者の人と話す機会がありました。

その方に、「うちは職人の教育を徹底しているから現場監督は常駐してなくでも大丈夫、バターさんも職人との信頼関係を作らないと・・笑」と言われました。。

一人の現場監督が5〜6現場くらいを回っているそうです。

私にはどうしても弊社がやっている物件の難易度だとそんなにはできそうにありません。。。

彼らが非常に優秀なのか、はたまた私が無能なのか・・

 

まとめ

リノベーションをやる業者でも色んな事情があり、色んな体制の業者がいます。

どのやり方が質、量など全ての面で効率的なのかを考えた結果ですので、どれが正しいということではありません。

そういった判断をすることも設計者の大きな仕事の一つですし、彼らは色んなタイプの業者と付き合っています。

どういったタイプの工事業者を希望しているかを伝えれば、何社かは候補をあげてくれて、それぞれの会社の特徴や良い点悪い点を説明してくれます。

そういう意味でも設計者の存在は欠かせないと思います。