施工会社と建設業許可

「建設会社」という言葉ってすごく悪い事してそうじゃないですか?

小説やドラマなんかで政治家の汚職に関わっているのは十中八九建設会社です。

まぁそれだけ大きいお金が動いているということだし、大きいお金が動く割りに誰がどれだけの取り分があるのかが全く分からないんです。だからこそ悪い連中の餌食にもなりやすい・・・。

 

私たちは施工会社と名乗っています。言い換えると建設会社です!

建設業界の片隅で生きるちっぽけな建設会社です。

そもそもが、内装の施工という業界自体があまりにも認知されていない業界です。

 

建設業界で生きてゆこうとすると「建設業許可」という国土交通大臣または自治体の首長が発行する許可をゲットしなければなりません。

建設業許可を持っていなくても営業自体は可能ですが、請負金額500万円以内という事が決められておりその額を越えて請負う事は禁止されております。

建設業は28業種に分類されており、厳密には我々の様な内装の施工会社に該当する職種は無いと考えております。あえて当てはめるとすると建築一式か内装仕上工事業となります。

「建築一式は確認申請を伴う建築を新築する業種」

「内装仕上工事業はクロス屋さん」

私たちが許可を取得する為に数人の行政書士の先生に相談をしましたが、全員が上記の事をおっしゃっていました。

弊社は基本的には確認申請を伴う建築の新築はおこなっておりませんが、クロス屋でもありません。

スケールは全く違いますが、大成建設や竹中工務店の様なゼネコンと同様に元請として仕事を請け、クロス屋さんや大工さん電気屋さんに発注をし弊社は現場監督をたてて工事を進めるというやり方です。

そんな仕事内容を行政書士の先生方は口を揃えて「建設業法違反です!」と言いました。

弊社の仕事のやり方は「建築一式」と同様のやり方ですが、「建築一式」は「確認申請を伴う」という部分が重要だそうで、弊社は内装のため確認申請を伴う事が多くありません。

そのため該当するのは「内装」という点で一致している「内装仕上工事業」になると・・。

そうなるとクロスを貼るのが仕事になるそうで、我々はクロス職人となるそうです・・・。

クロス職人が電気工事やその他の業種の仕事を請ける事は問題ないが、「大部分を外注に出す」という所が建設業法違反にあたると・・・。だそうです。。。

もう、なんだかなぁという感じです。

 

まぁ国が認めている建設業の職種に厳密に割当が出来ないというほどニッチな業界という事なのです。なんだかんだ言っても建設業許可が無くては非常に不利になるのは間違いありません。

弊社は建設業許可は取得しています!

全く悪いことをするつもりは無いのに、本当に取得しづらいのです。

5年間の経営経験が無くては許可の取得ができない・・・私の様に独立した人間には無理です。

独立して初めて経営経験が積み重なるのですから、どんなに短くても開業後5年間は許可の取得はできないということになります。

上記の様に私がクロス職人でしたら問題は大きくありません。500万円未満の軽微な工事は許可の有無は関係ありません。クロス職人で500万円以上の工事を請け負うことは中々ないと思います。

しかし、私の業種はそうではないのです。割とすぐに500万円は超えてしまいます。

でもそれは建設業法違反ですから請け負えません。。

 

私に残された道は

1.500万円未満の工事を5年間2ヶ月に1件以上のペースで続ける。

2.同業種で5年以上の経営経験がある人材を役員として採用する。

 

弊社は2を選びました。

1の方法は概念上は可能ですが、現実は全く無理です。

リノベーションをやろうとすると500万円は簡単に超えてしまいます。

もちろん超えないこともありますが、5年間コンスタントに受注し続けたという実績を示す必要があるそうで、そのコンスタントの基準が2ヶ月だそうですが・・・2ヶ月に1件以上のペースで500万円未満の仕事がある・・・わけがない!

本当に現実を見ていない制度だと思います。

私も許可をゲットするまでは独立前の会社に請け負ってもらっておりました。

そういう何だか抜け道の様な方法しか無いのです。。。

 

まぁ何はともあれ弊社は建設業許可の取得業者であるのは間違いありません。

リノベーション会社にしろ工務店にしろ、いまエンドユーザーの窓口として営業している会社のほとんどはちゃんと建設業許可を持っています。

しかし、施工をちゃんとやっている会社ってどのくらいあるのでしょう。。。

私たちの様な小さな小さな工事業者にその仕事は丸投げされてくる事がほとんどの様な気がします。

いづれにしろ建設業許可を持っていない業者は論外ですのでお気をつけください。建設業法違反です!苦笑