クロス屋

前回の塗装に続き、仕上げとしてもう一つあるのがクロスです。

クロスを貼る職人をクロス屋さんと言います。

 

クロス屋さんと言ってもクロスだけを貼る訳ではなく、カーペットや長尺シート、塩ビタイルなどもやりますので、「内装屋さん」と言われたりもしています。

一般的に内装屋さんというと、この職種の人達をさします。

ただ、我々の様な内装の施工会社の人間も自分たちのことを「内装屋」と呼んだりしますので、そのあたりが業界内でもかなりあやふやになっています。

正確に言うとクロスを貼る職人のことを「内装仕上げ屋」と呼び、我々の事を「内装を専門にした施工会社」と呼ぶのが良いのでしょうが、面倒くさく略するとどちらも「内装屋」になっていまいます。

それにより色々とエラーが起こっていますが、それはここでは触れません。

 

クロスは現在はビニール製の物がほとんどで、施工性が良くメンテナンスも楽な為、マンション、建て売り住宅などではほとんどがクロスの仕上げになっています。

90cm程度の巾でロールになっており、それに半自動でノリを付ける機械でノリ付けをし、貼る。塗装に比べて施工時間が短いため当然金額も安くなります。

 

元々は壁紙と言われ、その名の通り紙でしたがそれを模倣した物になります。

もちろん今でも昔ながらの壁紙も有りますので、それらを施工するのもこの職人たちになります。

ただ、壁紙は物自体も高価で施工性も悪い為、非常に高価になってしまいます。

 

以前にも書いた通り、工事現場には職人同士のヒエラルキーが存在します。

上の方にいるのが、早くから現場に来ている職種で、最後の方に来る職人はどうしても下の方になってしまいます。

鳶や大工、軽鉄ボードなど工事の初期段階の業者が強く、内装仕上などの終盤に入ってくる業者は弱くなるそうです。

ただ、これは大きな工事現場での話しで、元請け、下請け、孫請け・・・・などのレイヤーによっても変わってくる様ですから、弊社の様な非常にシンプルな構造の会社は全く力関係による上下はありません!!

ただ、上記の力関係の名残なのでしょうか、クロス屋さんは非常に温和でおとなしい人が多いです。同じ仕上げ業者でも塗装屋さんはまたちょっと違い、服を脱いでも肌に派手なTシャツの柄を書いている様なひともはいるのですが・・・。

 

音も無く来て、音も無く仕事をし、音も無く帰る様な人達です。

そもそもクロス貼り自体がほとんど音が出ませんから、いるのかいないのか分からない時すらあります。

ですから現場監督をやっていても、中々じっくりクロスを張っている姿を見る事ができません。入り組んだ角部分等をどうやって張っているのかは何となくは想像できるのですが、実際にやってみると全然思い通りにはいかないのです。

 

こんど一度じっくり観察してみようと思います。