軽鉄・ボード屋

軽鉄・ボード。

聞いた事がない方も多いと思います。

解体、設備配管や電気配線が終わって、いよいよ工事本番!って言う感じの時に入ってくる職人です。壁や天井をつくります。

 

軽鉄と呼ばれる1㎜未満の薄い鉄板を曲げてつくられた柱を30センチや45センチ間隔に立てて

壁の下地をつくります。

その下地に石膏ボードという畳1枚分の大きさの石膏を固めてつくられた板をビスで打ち付けて壁の完成です。

現場監督が壁をコンコンと叩いている姿を見た事がある方もいるかもしれませんが、あの仕草はこの軽鉄を探しているのです。

 

それまではA3の紙で50分の1程度のスケール感で見ていた家が、どんどんボリュームを持って立ち上がってくる姿は本当に面白いです。

ボードまで貼り終わると、「ここは寝室で・・・ここはトイレで・・・」と体感出来るので完成がグッと近づいた気がします。

 

簡単に書いてしまいましたが・・・この業種は材料がとにかく大きく重いため、現場への「搬入」が大変です。

軽鉄は3メートル程度の長さの柱ですのでエレベーターにのらない事もしばしばで、それが100本くらい必要なため一苦労です。

石膏ボードは1枚が13キロ程の重さがある上に、3×6尺(910ミリ×1820ミリ)のサイズの板ですので取り回しが大変で、これもまた100枚程度つかいます。

さらに石膏ボードの厄介なところは触ると白くなる所で、搬入の途中に床においたりすると床が白く汚れるため置けません。

そんな材料たちを、ただ一生懸命に搬入します。ただただ一生懸命に!

 

搬入が終われば軽鉄ボード工事は終わった様なものです・・・・と言うと職人に怒られるかもしれませんが、現場監督の気持ちとしてはそんな気持ちもあります。

とは言え、最初の壁を間違えてしまうと後々に大きなエラーが発生する事が多いため、細心の注意が必要です。

 

昔の建設現場では職人たち同士にも力関係があり、この軽鉄ボード屋さんはかなり強かったみたいです。

軽鉄が立った段階で電気屋さんが電気配線を埋設するのですが、その後石膏ボードを貼る際に電線を抜いてしまったり、隠してしまったりして電気屋さんを困らせるなんて事があったと聞いた事があります。ただのイジワルですし、かなり血なまぐさい話しも聞きます。。。

どうしても、業種的に最初の方の職種の方が強いという事の様です。

ゼネコンの現場なんかですと、現場で事故が起こると大問題になる為ゼネコンにもみ消される様で表沙汰にならないですが・・・。

 

我々の様な小規模の会社の場合は、来る職人がいつも同じで皆顔見知りのため、そんな血なまぐさい諍いは起こりませんのでご安心を!

 

ちなみに、

軽鉄ボード職人同士のやり取りで

「お前なんで休んでんだよ!」

「だって俺ボード屋だもん!」

「wwwwww」

というやり取りがあります。

・・・よくわかりませんが、彼らの中のジョークらしいです。。。

そんな場面に出くわしてしまったら、一緒に笑ってみてください。