左官

左官。

漆喰やモルタル、珪藻土などをコテを使い壁や床に塗り付ける職業です。

大工と並び古くからある職種ですので、熱意ある若者の職人が多くいる印象があります。

意外にも大卒の左官職人も多いらしいです。

 

なぜ「左官」というのかは・・・・色々説はありますが、結局のところ不明です。

私が一番しっくり来た説は、宮中にメンテナンス工事で職人を出入りさせる為に、何かしらの

「官位」を付けておかなくては手続きが面倒だから・・という役人的発想じゃないかと言っていた左官職人のはなしです。

納得はしましたが、「左」は・・・・聞きそびれました。

 

現在はほとんどがモルタルで下地をつくる仕事ですが、漆喰の大津磨きのような伝統技術もあり、若い職人に親方のそういう仕事を見せるチャンス少ないのは非常に残念です。

どなたか漆喰の「磨き壁」やりませんか!!

 

見習いとして入った若い子たちが、4〜5年を親方の元で修行をし一通りの事が出来る様になると「年季明け」し、その後「お礼奉公」を1〜2年しようやく職人として一人前と言われています。

こういうところにも古くからの慣習が残っています。

 

見習いの子たちは土、砂、水を運びつづけます。

もう本当に1日中運んでいます。そんな日々を繰り返す中で、みんな同じ様な体系になってゆきます。同じ様な背格好で同じ様なしゃがみ方で床にモルタルを塗っている姿は、結構カワイイと思っています。ww

サッカー選手が皆同じ様な体系なのと一緒で、左官職人もアスリートなんだなぁと私は一人現場で感慨に耽っています。

 

実は現場監督としては、この左官屋さんはとにかく早く帰って欲しい業者ナンバー1です!

土、セメント、砂、砂利など「粉」っぽい物を扱う人達ですから、とにかく現場が汚れるんです!!道具も材料も全部粉っぽく、彼らは歩く所に必ず砂を撒き散らします www

いくら掃除しても、彼らが居る間はいつまでたっても綺麗になりません。。。

しかも飲食店の施工をするときなんかは特に、本当に最初から最後までなかなか帰らないんです!

だからいつも早く帰ってー!と祈っています。(笑)

 

それでも、軽鉄屋さんにも大工さんにも塗装屋さんにも他のどんな職人とも違うのが、

現場で材料の体積を増やす唯一の職人という事です。

「粉を持ってきて壁をつくって帰る」

つまりどんなボリュームでも作れてしまうのです。粉と水だけで!

「無」から「有」を作ってしまう人達という感じがして非常に頼もしい、そんな職人です。