フローリングの事

今回はフローリングの事を書いてゆきたいと思います。

 

フローリングとはご存知の通り床に貼る板のパネルの事をいいます。

部屋の印象を大きく左右する程の大面積ですから、皆さん非常にこだわりを持って選定されています。

 

ナラ、パイン、チーク、ウォールナットやメープルなどなどたくさんの樹種があり、それぞれに特徴もあります。一番の違いは見た目ですね。

色の濃さや木目の感じ等誰が見ても一目瞭然な違いがありますので、それはデザイナーと相談してもよいですし、好きな木を選んでも良いと思います。

メープルなどの白木と呼ばれるものは、その名の通り白っぽいので明るい部屋になります。北欧デザインと呼ばれるものは白木が多いです。

逆にウォールナットの様な暗い茶色の木はシックな印象になります。

自分の持っている家具なども考慮し好きなものを選ぶ事が一番です。

フローリングを選ぶことはリノベーションの中でも楽しい作業の一つです。

 

ただ、フローリングにも木の種類の他に様々なものがあります。例えば無垢材だったり複合フローリングだったり、プリントだったり・・・。

無垢材はその名の通り木の無垢を削りだしてつくったもので、最もグレードが高いといわれています。そんな中にもソリッドワンピースといわれる一枚板の高級タイプやユニタイプと言われる短い木を繋ぎ合わせた割に安価なもの等様々あります。

複合フローリングはフローリングの表面に1ミリ未満の木のスライスを貼付けたものや、プリントした木目シートを貼付けたタイプ等があります。

 

現在売り出されている新築マンションなどはほぼ複合フローリングです。

複合フローリングは表面に木のスライスを貼っているだけのため、年月の経過とともにスリ減っていき下地のベニヤが出てきてしまう事も珍しくありません。そのために表面を硬い塗装膜で覆い耐久性を確保しています。

ただ残念なことに塗装膜で覆ってしまう事で、木の本来持っている特徴が失われ工業製品独特の無機質な質感になってしまいます。そうなってしまうと、木を貼る必要性も無くなってしまいます。

 

せっかくリノベーションするのですから私は無垢材を貼って欲しいと思います。

無垢材の場合はどこまですり減っても同じ木ですから、表面に塗装膜を作り木を殺してしまう必要がありません。

オイルフィニッシュや蜜蝋など子供にも害の無い自然塗料がたくさん出ていますので、それらを塗る事も可能です。

 

木というのは湿気の多い季節には水分を吸って膨らみ、冬場の乾燥した季節には水分を吐き出しやせるものです。調湿効果、木が呼吸するというのはこの事です。

当然、膨らんだり痩せたり木が動くため反りや割れが起こるというデメリットもあります。

それを押えるためにオイルなどの粘度の高い液体を染み込ませることで、木を乾燥から守るという商品があります。

メンテナンスとして塗り重ねていく事で色も変わり成長してゆく事が無垢材の魅力だと思います。

お寿司屋さんのカウンターなども米ヌカで毎日丁寧に磨かれ味が出ていますが、それと同じ事です。

ただ、面倒くさいです。メンテナンスは大変です。

そういった面倒くささを解消するために複合フローリングという商品が開発されたんだと思います。面倒くささ、メンテナンスの大変さはありませんが木の魅力も無しです。

 

どちらを選ぶかはどうやって生きてゆきたいかの問題です。

私は偽物は生活の傷が「劣化」になりますが、本物は「味」になるんじゃないかなと考えています。